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笑いの効用

「笑う門には福来る」という諺があるように、認知症予防や病気の治療、健康に良いようです。
私の好きな言葉に「笑顔に勝る化粧なし」というのがあります。年を取ると、笑うことそのものが少なくなってくるようです。それを戒めるために、言い続けています。

ある会社の社長さんは、一代で会社を興し、永年頑張ってきました。ある日、なんとなく体調がすぐれないので、病院へ行きました。すると、前立腺ガンで、それも末期で肝臓にも転移しており、手術や抗ガン剤も手遅れ、ここまで進行すると打つ手はありませんとのことでした。これまで元気に、未来しか考えてこなかった65歳、自分の余命が半年だと知らされたのです。
予期せぬ突然の告知に、泣き崩れ、会社に戻って臨時役員会を開催し、事情を説明、この会社を誰かやってくれないかと頼みました。そしてすぐ、身辺整理に取り掛かりました。

数年前に奥さんを亡くし、子供たちは既に独立していて、惜しいものはありませんでした。社長さんは、ハタと考えたそうです。「考えようによっては、半年も時間があるという事は有難い。意識不明にもならず、身辺整理ができる」と、気持ちを切り替えたのです。

余命宣言の一月前、戒名の相談に行き、お坊さんは驚かれました。葬儀社に見積もりの電話をしたら飛んでこられ、「仏さんは?」と言われるから「私です」と答えると、また驚かれました。そして、喪中ハガキの準備や、遺産相続まで終えると、ホッと気持ちが軽くなったそうです。

いつの間にか、宣告の期間が過ぎ、血圧も正常になり、肝臓のガンも縮小していました。いつもの口癖が「よくなる、よくなる、きっとよくなる」と唱え、毎日笑顔を絶やさなかったそうです。

その後10年、各地のガン患者の会に招かれ、体験をお話しされ、82歳で亡くなられました。ガン宣告から17年が経っていました。

「辛いとき、笑いなさい」できないですね。「にもかかわらず笑う」、これはドイツの諺です。真面目な人ほど、笑わないそうです。生きて働いている限り、ストレスや悩みはあります。何に一番悩んでいるのかわからないけど、ともかく元気が出ない時もあります。そんな時吉本新喜劇へでも行きましょう。

「笑い」って、笑ったからお腹がふくれる訳でもありません。笑ったから、何かが解決する訳でもありません。けれど、笑い声を聞いているだけでも、こちらまで気持ちがよくなります。

笑いには、免疫力があります。笑顔は、自分だけでなく周りの人にも影響を与えます。すてきな「微笑み」を忘れないようにしたいものです。